帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水痘ウイルスである水痘帯状疱疹ウイルス(バルチンゲラウイルス)が再活性化することによって引き起こされる感染症です。主に背中や胸、腰回りなどに帯状に赤い発疹が現れるため、帯状疱疹と呼ばれています。
帯状疱疹は、特定の神経を侵すウイルスの再活性化により、その神経に沿って発疹が広がる特徴があります。発疹は水疱(ぶくぶく)となり、その後、潰瘍(かいよう)になることがあります。また、激しい痛みを伴うことが多く、帯状疱疹後神経痛(たいじょうほうしんこうちょう)と呼ばれる合併症が起こることがあります。
帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹の治癒後にしばしば発生する痛みを指します。帯状疱疹のウイルスが神経組織に潜伏しており、ウイルスが再活性化した後も神経に影響を与えるため、痛みやしびれが持続することがあります。痛みの程度は個人差があり、軽い場合から激しい痛みまで幅広くあります。
帯状疱疹後神経痛は、慢性的な神経痛であり、日常生活に影響を及ぼすことがあります。睡眠障害やうつ症状が発生することもあり、生活の質を低下させることがあります。このため、早期の治療や痛みの軽減を目指すことが重要です。
治療法としては、帯状疱疹本体の治療とともに、帯状疱疹後神経痛の痛みを和らげるための薬物療法が行われます。鎮痛剤や抗てんかん薬、抗うつ薬などが使用されることがあります。また、リラクセーション法や神経ブロック療法、カウンセリングなどが症状の改善に役立つ場合もあります。
予防策としては、帯状疱疹の予防接種があります。帯状疱疹予防ワクチンは、水痘ウイルスの再活性化による帯状疱疹の発症リスクを低減する効果があります。特に高齢者や免疫力が低下している人にお勧めされています。早期の帯状疱疹後神経痛の治療と予防接種により、症状を軽減し、生活の質を向上させることができます。